新潟県初の全量純米蔵へ
新潟市中央区東部に位置する沼垂(ぬったり)。
沼垂では日本酒・味噌・醤油・納豆などの発酵食品製造業が盛んで、今代司酒造も明治中期より酒造りに本格的に参入しました。
当時の新潟は北前舟が頻繁に寄港していたため、人の流れが多く、人口が江戸より多かったといわれるほど大変繁栄しており今代司も繁盛していました。
新潟市内の大半のお店で今代司は扱われ、まさに新潟清酒を代表する存在でした。
ですが米不足になった戦後、全国の酒蔵で「三倍増醸」が盛んに行われるようになり、日本酒の質は劣悪化していきました。
それに加え外来酒の登場や、日本人のライフスタイルが大きく変化したことにより日本酒離れが進み、その影響から多くの酒蔵が姿を消すこととなりました。
今代司酒造もそのあおりを大きく受け、新潟の街から姿を消していったのです。
2006年、大きく造りを減らすことになった今代司酒造では、もう一度酒造りを見直したいという想いで、アルコール添加を一切行わない全量純米仕込みに切り替えました。
それは、酒処新潟において戦後最初の取り組みでした。